この調子で書いていくと
ドンだけ書いても終らないんじゃないかというやり取り
夏までかかるとかなったらどうしよう、、、(。。;;
とりあえずてんは^^; ちがう!ってとこあったら言ってください・・・
灯りがすこぉし翳り、文天祥はランプの芯を伸ばそうと傍らの灯りに手を伸ばした。
螺子の当たりが何か違う。
あと少しになった資料を膝に置き手を伸ばしたほうを見る。
ランプを見るとみたことのない形だった。
己の手からは僅かに鳥の焼いた匂いがし、無意識に食事を取ったらしいことに気がつく。
「ここは・・」
どこだといいかけて闇天使の家だと気がつき背筋を伸ばした。
「・・・終ったのか?」
書類の積まれたテーブルの向う、一人がけのソファから闇天使の声がした。
薄目を開けて闇エルフのほうをうかがっていた闇天使が身を起こした。
「ディラ、ごめん!俺こんな遅くまで・・」
夢中になって時間も場所も忘れていたといおうとしたが、闇天使は文天祥をそこに残し部屋から出て行った。
「そりゃ、怒るよなあ」
己の行動を責めながら闇エルフは読み散らかしてしまった書類を片付け始めた。
辺りに皿と茶器がある。
闇エルフに食した記憶は無かったが、どうやら無意識のうちにだされた食事を平らげていたらしい。
何を出されたかさえも覚えていない自分に自己嫌悪を抱きながら辺りを着たときのように綺麗にする。
あらかた片付いた頃、闇天使がハーブの香とともに戻ってきた。
「ディラ、遅くまでごめん」
頭を下げる闇エルフに闇天使は無言で盆を突き出した。
カモミールの香りのするあったかいミルクが座りのよいカップのなかで湯気を立てていた。
戸惑う闇エルフに闇天使はいつもと変わらぬ様子でつっけんどんに言い放つ
「飲め」
文天祥がカップを受け取ると満足そうにひとつ頷き、闇天使は自分が座り込んだソファの反対側を指し示した。
三人がけのソファの上には毛布が無造作に置かれている。
「飲んだら寝ろ 暫くしたら夜が明ける、朝飯食ったら送っていく」
ホットミルクをとりあえず飲み干した文天祥は反論しようとして口を開きかけた
が、その言葉は闇天使の声に止められる。
「ウーにはてんが「読める」と答えた時点で泊まらせると言いに行かせた」
そして闇天使は有無を言わさぬ態度でソファを再度指差した。
それでも動かない闇エルフに闇天使は軽く唇の端をあげた。
「添い寝がいるってのならするが?」
「いらん!」
あきらめてソファに腰をおろした闇エルフは軽い眩暈を感じ、自分が疲れていることに気がついた。
ソファに身体を預けると身体が重く沈んでいくようだ。
文天祥は意識がなくなる前にと言葉をつないだ。
「ごめん、じゃ・・言葉に甘えさせてもらう・・・」
言葉の最後はすでに寝息だった。
相手が寝たのを確認して、ラヴェンディラは寝ていたソファに丸くなる。
「さすがにまじないつきのハーブ酒は効くな・・」
小さく呟くと闇天使もその目を閉じた。
鳥の声がする。
自分のうちの周りの声ではなく、もう少し郊外の。
そう気がついて闇エルフはぱちりと目を開けた。
同時に脳裏に昨晩、いや今朝方の出来事が怒涛のように流れ込む。
更に読みふけった資料はそれだけの価値は確かにあったものの、確実な解決の糸口までは至らずで考えることがあふれそうだった。
朝日が疲れた目にしみる様に輝いている。
「※.。・:*:・゚`☆、。・:*:・゚`★」
耳慣れないきぃきぃ声が闇エルフの耳元で響いた。
驚いて振り返ると、闇天使の使い魔の妖精が大声で何事か叫んでいる。
主しか聞き取れないその甲高い声の言葉に眉を軽くしかめ、闇エルフは困った笑みを返した。
「ごめん、何をいってるかわからないんだ」
その言葉に使い魔は方法を変えた。
闇エルフの長い耳をぐいぐいと引っ張る。
「いてっ いてて、 来いって事?」
文天祥が立ち上がると使い魔は満足そうに先にたって飛び始めた。
後をついていくとおいしそうな匂いが漂ってくる。
ふぃっと妖精が姿を消した部屋に入ると、そこは厨房だった。
調理台に皿を置いた闇天使が顔を上げた。
起き抜けに身体を流したらしい湿った髪からラヴェンダーの香りが軽く舞い上がる。
「よお、起きてたか?銀桜には起きてから声かけろっては言っといたんだが」
フレンチトースト、柔らかないり卵、軽く火の通った野菜、ヨーグルトなど置かれたほうに置かれた椅子を闇天使は指し示す。
「おはよう 起きてた すっかりお世話になってるな、俺・・」
しゅんと沈んだ様子ですわり、いつもの習慣どおりに短い祈りを捧げフォークを手に取った。
結構な量の食事に、入らないかもと一瞬頭をよぎるが、甘すぎないフレンチトーストを一口たべると嘘のように食欲が沸いてきた。
ぱりぱりと言う音に闇天使のほうを見ると、彼女は切っただけの野菜を気だるそうに食べている。
「ディラの?」
闇エルフは自分の皿を指差した。
闇天使はスティックサラダを銜えたまま首を振る。
「それは、てんの身体が欲しがってたから作った」
言われれば身体がしゃんとしたような気がする、と闇エルフは食を進めた。
闇天使が野菜を食べているのは、彼女の身体が欲しがっているということか、そんなことを思いつつ出された食事を食べ終える。
それを見越したかのようにフォークを置いた横に香り高い紅茶のカップが置かれた。
この闇天使、自分はカフェインの入ったものを殆どとらないのに完璧な紅茶を入れたりする。
以前いた修道院で習ったんだと本人は言うが、定かではない。
「ありがとう ディラ料理上手なんだね」
そういって闇エルフはふと相手が既婚の女性だと思い出し自分のおかれた状況を考える。
(これって・・)
「帰る前に湯浴みしてくか?」
その言葉に文天祥に血の気が引く。
「ディラ、泊まった俺が言うのもなんだけど、この状態って色々誤解されても仕方のない状況だと思うんだ」
不思議そうに自分を見てる闇天使に言い諭すように闇エルフは言葉を続ける。
「お風呂だなんて更に誤解を招くとか思わない?大体レヴィンさんは自分のいないうちに男を入れるなとかいわなかった?」
闇エルフの言葉に闇天使は暫く考え込む。
「うーん・・知らない人を家に入れちゃダメとは言ってた気がする・・けど・・」
闇天使はきょとんとした顔を文天祥に向けた。
「てんは知らない人じゃないから入れて良いんだろ?」
何かが違う、そう呟いて文天祥は頭を抱えた。
食事の礼をいい暇乞いをし出ようとした闇エルフをラヴェンディラは追いかけてきた。
「子供じゃないんだから一人で帰れるよ」
「ウーに預かるといった手前ってのもあるけど、おれもこっちに用事があるの」
見えてきた海をまぶしそうに眺めながら闇天使はいう。
「海底都市にちょっとね いって来ようと思ってさ」
「族長さんの所?」
闇天使はあいまいに笑って小さく頷く。
族長がいないのは前日シンに聞いて知っていたが、闇天使の中に何かが引っかかったのだ。
それを今日は確認に行こうと思ったのだった。
「俺も行っていい?」
「良いけど あの資料じゃ足りなかった?」
文天祥は寝不足の頭をこっくりと頷かせた。
「個別に調べたいところが幾つかあるんだ」
その言葉にふーんと言う顔をした闇天使がいたずらっぽく笑った。
「ほらな 湯浴みしとけばよかっただろ?」
二人の足は海底都市へと向かう道を進み途中の港町に着いた
今船が入ってきたところらしく、人ごみでごった返している。
その中で小さく人ごみに埋まりかけていた闇天使が素っ頓狂な声を上げた
「あれぇ・・?」
文天祥は闇天使をみ、それが見ている方向に目を向ける。
人ごみよりもひとつ背の高い緑色の頭が目に入った。
闇天使の伴侶より静かに落ち着いた不可緑色の髪に色とりどりの羽ガ踊っている。
「千歳ー!」
港町に闇天使の元気な声が響いた。
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