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2012/09/06 (Thu)
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らべにはひとつの宇宙を監獄として閉じ込められてる魔女のカケラ=危険分子と判断で
監視人がついてたりします

KOCのRPには殆どでてこなかったですけどね =w= フフ








闇天使は目を開けて窓の方を見た
いつもの部屋、いつもと変わりない部屋 カーテンの隙間から薄明るい月の光が差し込んでいる
その明るさが増す

「よぅ」

その明るい光の中に清らかなオーラを放つ高位の天使が現れた

「初めまして」

光の中から涼やかな声が響く
天上の声だ
清浄で穏やかで聞いたものの心を明るくする響き
その響きに心を動かされた様子もなく、闇天使はその光から視線を逸らした

「まぶしいんだけど」

無愛想な発言に小さく笑う気配がして天使から放たれる光が明るさを抑えられていく
柔らかな光に包まれた輝く天使がそこにいた

「暫く間あいたからもう来ないんだと思ってたよ」

つまらなさそうに闇天使は呟いた
その言葉に天使は柔らかに微笑む
天上の微笑だ

「そうですね 暫くあいてしまいました」
「おれが前の殺したから、びびってこなくなったと思ったのに」

薄ら笑いを浮かべる闇天使に天使は静かに視線を向けた

「それも次に役目につくものを選ぶのに時間がかかった一つの要因ですね」
「貧乏くじを引いたわけだな」

輝く天使は複雑そうな表情を浮かべた

「私は志願しました」

怪訝そうに闇天使は窓辺の天使に視線を向けた
天使は再び輝くような微笑を浮かべる

「私はあなたに興味があります
 他の端末(カケラ)があの状況で喜んで死への道を歓喜を持って迎えたのに、なぜあなたは違ったのでしょう」

「それを聞くためだけにこんなとこへ来たの?」

面白くなさそうに答える闇天使に天使は更に光あふれる微笑を浮かべる

「もとより答えは期待はしておりません」

「死を選んだやつらは」

床に視線を向けた闇天使の口からぽつりと言葉が漏れた
天使が窺うように首を傾ける

「大元と同じように、何も教わらなかったか、お前は罪と教えられたか、ろくな手に抱かれなかったんだろう」

闇天使の言葉をかみ締めるかのように暫く黙り込んだ天使が先を促すように尋ねた

「あなたは違ったと?あなたを最初に抱えあげた者達はあなたを「罪悪」と呼んだ筈です」

闇天使は顔をあげ、月の光を受けるその顔を窓の外へと向けた

「おれを最初に抱いたのはこの星だよ」
「は?」

天使の間の抜けた声にくすりと闇天使の笑い声が響く

「人型を取ったおれを一際多い茂った草むらに導いたのも、【イキロ】と口に草露を運んだのもこの地が最初だ」

しみじみと話す闇天使をじっと見つめる天使の口が静かに開いた

「いきろと?この地はあなたを災厄とはいわなかったのですか?」

闇天使はだまって天使を見た
その口元には静かに小さい微笑が刻まれている

「たとえ災厄であったとしても、イキロというんだ世界は」
「それが、あなたと他の端末との違い・・」
「たぶん、な」

その言葉と同時に立ち上がった闇天使は、光り輝く天使の前へ歩み寄った

「監視人、なんと呼べばいい?」
「お好きに 今までに名など聞いたことがないと聞いてますが・・」

淡いプラチナブロンドの隙間に赤い一筋の房が揺れた

「メッシュ」

闇天使の言葉に天上の笑みとは到底呼べない苦笑いが天使の口元を彩る

「これは、妹の、遺髪です」

自嘲の笑みは口元から顔全体を彩る

「罪深い妹の、私が殺した妹の、私にもその血が流れるのを忘れないために」
「別の呼び方がいいのか?」

あまり興味なさそうな闇天使の声に、天使は我に返ったように柔らかな笑みを浮かべた

「メッシュでかまいません」
「おまえがおれを殺そうとしない限り、反撃したりしないから安心しな」

その言葉に再びにこりと微笑んだ天使は徐々に光とともに姿を消した
たったついでとばかりに、天使がいた側の窓のカーテンを開ける
月の光が部屋の中に溢れた

───カチャリ

小さな音を立てて部屋の扉が開く
隣の部屋との続き扉だ

「何方かお見えで?」

新緑の長い髪の毛が揺れる
見たところ誰もいないのを確認したのか、エルフは部屋の中に入ってくる

「誰も来てない」

人として付き合ってるものは、誰も来ていない
闇天使はそういう意味合いで伴侶の質問に答えた
少し参ったような顔の連れ合いをみ、暫く考え込んだ様子の新緑エルフだったがくるりときびすを返し自室に戻っていく
月の光を十分に浴びてカーテンを閉めようとしたその背に、再び扉の開く音が響いた

「新しいワインを手に入れたので」

ぉ、というように目を輝かせた闇天使を、グラスを持った手で新緑エルフは押しとどめた

「ちゃんとグラスで、デスよ」
「しかたないなぁ」

おとなしくベッドに座って注がれるのを待ちながら、闇天使の視線は再び窓の外を見つめていた

世界は食として呼気としてありとあらゆる形で自分たちに入り込み、その言葉を叫び続ける

──イキロ── と










例によって書き下ろし
手くわえたいけどとりあえず




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